ビバ☆マガ連動インタビュー

ビバ☆マガ連動!「テイルズ オブ エクシリア2」馬場プロデューサー直撃インタビュー【第2弾】全文公開!!
来たぞ!「TOX2」号!「ビバ☆テイルズ オブ マガジン8月号」 6月28日発売!

編集部(以下編):
今回、イッキに新たな情報が解禁となりましたが、そのなかでもとくに驚いたのが、ルドガーの“骸殻"。
この能力を発動して、変身するとのことですが…。

穴吹健児氏(以下敬称略):
“骸殻"を採用したきっかけは、わかりやすいかっこよさ、キャッチーさからです。
あと、個人的に変身ものが好きだったので、そういう要素を取り入れたいという思いがありました。
これまでに公開したプロモーション映像にはダークな表現が取り入れられていますが、そういった表現で行こうというのは、
シナリオを練っている段階からアイデアとして出ていました。
そんななか、主人公が変身するならダークヒーローとして描くのが良いと思い、
奥村(大悟氏)にデザインをしてもらいながらイメージを固めていきました。
ただ、そういった開発者の思惑とは関係無しに、変身したら「かっこいい!」と思ってもらえるとうれしいです。


馬場英雄氏(以下敬称略):
当初、変身というアイデアを聞いたときは、驚いたのと同時にそれを『テイルズ オブ』に取り入れるのはどうなんだろう
っていう戸惑いもありました。
だから、ぶっちゃけ初期の段階でけっこうもめはしたんですが、ゲーム性も含めて考えたときに、これは新しい表現ができるな、
おもしろそうだな、と思い採用することにしました。


編:
変身という要素は物語にも密接に関係しているんですよね?

馬場:
そうですね。
あと、物語だけではなく戦闘やシステムなど、いろいろな部分にも関わっています。変身は『TOX2』のコアな要素なので。


編:
戦闘では変身に必要なゲージが溜まると、任意に変身できるのでしょうか?

穴吹:
はい。ゲージが溜まった状態で、L3とR3ボタンを同時に押し込むと、ルドガーが骸殻能力を発動して変身します。
スペシャルな感じを出したくて、ボタンを同時押しにしました。



馬場:

ゲージがなくなるまで変身していられて、その間はルドガーと敵との戦闘になります。
で、変身が解けると従来の仲間がいる戦闘画面に戻るんです。
あと、現時点ではまだ話せませんが、変身にまつわるもっと深いこともあったりします。

編:
気になりますね(笑)。
ちなみに、変身するとルドガーが1人で敵と戦うことになりますが、そのときの能力や術技は、
変身前に比べて圧倒的にパワーアップしていたりするのでしょうか? 穴吹:
まず、ルドガー1人にした理由なんですが、これまでの『テイルズ オブ』の戦闘は基本的に「複数対複数」でした。
だから、『TOX2』では1人で複数の敵をなぎ倒すという新たな要素を入れたかったんです。


馬場:

『テイルズ オブ』の戦闘は気持ちいいもの、爽快感あふれるもの、という揺ぎ無き自信はあるんですけど、
だったら今回はそれを「1人対複数」でどこまで追求できるのかなって、チャレンジしてみました。

穴吹:
術技に関しては、変身時専用のものもありますが、通常時と同じものもわざと使えるようにしています。
変身前に使っていた「蒼破刃」が、変身後に強力になることでパワーアップしたことをわかりやすく感じられるようにしています。


編:
ルドガーたちがいる世界は「正史世界」。
それに対して、いくつもの「分史世界」があるとのことですが、それはどういった世界なのでしょう?

馬場:

分史世界というのは、わかりやすく言うと、「if」の世界なんです。
ある陰謀によって、その「if」の世界が散りばめられているんですよ。
ただ、分史世界といってもいろいろあるので、そこで誰に焦点が当たるのか、正史世界とはどこが違うのか、
といった部分は当然ながら1つ1つ異なります。
そして、分史世界は正史世界に悪い影響を及ぼしているので、ルドガーが壊して消滅させていくことになります。

編:
でも、分史世界には正史世界にいる人と同じような人物も住んでいるんですよね。もしかして、仲間と同じ人物がいることも…?

馬場:
もしかすると、そういう世界もあるかもしれませんね。


編:
そうなると、その世界を壊すことを躊躇してしまいそうです。

馬場:
その部分こそが、今回僕たちが描きたかった“背徳感"という1つのキーワードでもあるんです。


穴吹:
とくになんの問題もなく暮らす人々がいる世界を、自分たちの都合で壊す。
その背徳感をより際立たせるために、分史世界をあえておだやかな世界として描いている部分はあります。


馬場:
自分は正しいと思っていても、分史世界にいる人たちにとってみれば正しくないかもしれない。
でも、それをわかっていても“やらざるを得ない"という選択。そういった自分の選択が、
世界にどう影響を及ぼしていくのかが今作の物語のポイントでもあり、ゲームシステムの「選択」にも繋がってくるんです。
なかには、究極の選択みたいなものもありますしね。シナリオを作る段階で、
僕らでもいくつか「うわっ!」って困惑する選択肢がありましたから。


編:
ルドガーが世界を壊す目的というのは、クランスピア社に借金を返すため? 穴吹:一概にそうだとは言えません。
最初は自分に与えられた仕事として世界を壊していくんですけど、物語のなかでルドガー自身の目的が変わっていくんです。

編:
分史世界についてもう少し深くお聞きしたいと思います。
まず、そこでの目的は“時歪の因子(タイムファクター)"を探すことですが、どういった感じで探していくんでしょうか?

穴吹:
分史世界にもよりますが、街などにいる人に話しかけて情報を集め、それを頼りにあちこちを探すことになります。
それで、時歪の因子のもとにたどり着くとイベントが展開し、時歪の因子を壊すという流れですね。


編:
分史世界にはルドガーの骸殻能力を使って潜入することになるようですが、行った先でも変身した姿なのですか?

馬場:
いや、あくまでも潜入するために変身するだけで、分史世界を冒険しているときは通常の姿に戻ります。



編:
『TOX』でも登場した、エリーゼとローエンの参加が明らかになりました。まず、この2人のことを教えてください。

穴吹:
エリーゼとはエレンピオスで出会うことになります。彼女は通っている学校の親善使節団に参加していて、
それでエレンピオスを訪れるんです。そこで、偶然ルドガーと出会う。


編:
前作のエンディングではティポを箱にしまっていましたけど、『TOX2』では再びティポと一緒にいるんですね。その理由は

穴吹:
『TOX』の最後でティポをしまったのは、「ティポに頼らずに生きていこう」という彼女の決心からでした。
その後、エリーゼはティポに頼らずとも自分の意思を伝えられるようになり、『TOX2』でも成長した姿を見せてくれます。
ティポを再び箱から出したのは、友だちと宝物を見せ合おうとしたのがきっかけです。「私の宝物を見て」って。


馬場:
前作みたいに、ティポ頼りなエリーゼではないですよ。
ただ、また戦わなくてはいけない状況になったので、ティポと一緒に力を発揮しています。
ティポはエリーゼの増霊極(ブースター)でもありますから。


編:
ティポが以前にも増して毒舌になっているらしいですが…!?

馬場:
前作同様、ティポは自分の意思でセリフを言っているわけではなく、エリーゼの気持ちを代弁しています。
なので、より毒舌になったというか、エリーゼが自分の言葉とティポから発せられる言葉をうまく使いわけているという感じです。
そういった部分では、ちょっと大人になりましたよね(笑)。


編:
今回のエリーゼの衣装は学校の制服ですか?

穴吹:
いや、制服ではなくドロッセルにもらった服で、これを来て学校に通っているんです。
『TOX』からですが『TOX2』でも、エリーゼはドロッセルにかわいがってもらっています。


編:
ところで、エリーゼとエルは年齢が近いですが、そういった部分で通じ合うところはあるんでしょうか?

馬場:
エリーゼにとってエルは特別な存在ですね。
その背景には、エリーゼのこれまでの経験があります。彼女はずっと1人でいろいろな辛い目にあってきました。
エルもまた、幼いながらにたった1人でカナンの地を目指して冒険をしていた。
だけど、エリーゼは前作での冒険でジュードやミラといった友だちができ、さらに家族として接してくれるドロッセルとも出会えた。
だから、彼らに面倒を見てもらったぶん、今度は自分よりも弱い人、すなわちエルに何ができるのだろうかと考えるんです。


編:
すごい! ちょっとどころかだいぶ成長しましたね。では、次にますますダンディになったローエンを。
服装のせいか、印象がガラッと変わりました。

馬場:
前作では軍師というイメージを強く出したかったんですよね。
今回もそういう要素はありつつも、国王であるガイアスと一緒にエレンピオスとリーゼ・マクシアがどうやって共存していくのか
考えたりと、政治の表舞台で活躍するので、衣装はフォーマルっぽく。色もシックに、といのまたむつみ先生にお願いしました。


編:
2つの世界が和平を結ぶことに不満を持っている人たちの、憎悪の対象になっているというローエン。難しい立場にあるんですね。

馬場:
そうですね。前作でのローエンは、旧友ながらも討つべき敵となったナハティガルから逃げている部分がありました。
そんな自分を戒めるために、やはりやるべきことをやらなければいけないと決意し、
その後、リーゼ・マクシア宰相に就任します。彼自身は、できれば全世界の1人1人のためにこの世界をよくしていきたい。
リーゼ・マクシアとエレンピオス、2つの国家をもっともっと融合させて、お互いにわかり合えればいいと思っています。
だけど、新しいことをやって喜んでくれる人もいれば、これまでのままのほうがいい、と拒絶する人もいる。
ローエンにしてみれば、エレンピオスのためにやろうとしていることなのに、
そこに住む一部の人たちは、「あいつがエレンピオスを侵略しているんだ」と思っていたりとか…。
そういったジレンマのなかで、新たな道を模索していくというのが、本作でのローエンの1つの立ち位置でもあります。


編:
そんな立場にあっても、お茶目な部分は健在ということでちょっと安心しました(笑)。
エリーゼやローエンなど、『TOX』でも登場したキャラが、『TOX2』までの1年の間に何をしていたかは、語られるのでしょうか?

馬場:
もちろん。前作のキャラクターが出てくるのであれば、ファンの方が気になる部分の補完は必要だと思っています。


編:
わかりました。では、続いて『TOX2』のキーキャラクターである、クランスピア社の最高責任者・ビズリーについてですが、
彼はどんな人物なのですか?

馬場:
エレンピオスにおけるクランスピア社は大きな企業の代表であり、その最高責任者のビズリーも誰からも知られている存在です。
その立場上、ものすごい情報量を持っていて、それを巧みに使っていくっていう…。


編:
ルドガーの素質を見抜けたのは、クランスピア社のエージェントだったユリウスの弟だからでしょうか?

馬場:
そういったところもあるでしょうね。1つヒントを言うと、ユリウスとルドガーの構え。
その姿が似ているところから、「もしかしたら」って思ったのかもしれません。


穴吹:
ユリウスといえば、先日馬場がツイッターでつぶやいていましたが、
物語冒頭の選択で「わかってるよ、 ユリウス」と「わかってるよ、兄さん」という選択肢があるんです。
そこでどっちを選ぶかによって、以降ルドガーがユリウスのことを名前で呼ぶか、
「兄さん」と呼ぶかが決まります。スタッフの1人が出してくれたアイデアなのですが、
おもしろいと思ったので実装できて良かったです。


編:
なるほど。ツイッターも要チェック ですね。
では、もう1人のオリジナルキャラクターで、ビズリーの秘書のヴェルについて教えてください。

馬場:
ヴェルはノヴァと双子ですが、仕事のときはノヴァとは他人のようにふるまっています。
でも、公私の区別を明確にしているだけで、ノヴァと仲が悪いわけではないですよ。


編:
何か確執があるのかと、深読みしてしまいました(笑)。
ほかに、分史世界と深い関係がありそうな精霊クロノスの存在も気になるのですが…。
これまでのシリーズ作にはいなかった精霊ですよね。

馬場:
そうですね。クロノスはエルが目指す、願いを叶えてくれるというカナンの地の番人なんです。


編:
クロノスという名前から、時計が連想されますが? 馬場:時計とは何らかの関係があるかもしれませんね~。
でも、これ以上はまだ言えません(笑)。

編:
わかりました。ちなみに、『TOX2』では原初の三霊の1人として、
シリーズでもおなじみのオリジンという精霊の名が語られています。
このオリジンは、前作でキーとなった源霊匣(オリジン)とは別の存在と考えてよいですか?

穴吹:
はい。源霊匣というのは、ジランド(『TOX』で登場したキーキャラクター)がオリジンのことを知っていて、
そこから名付けた名前なんです。実は彼が名付け親という。


編:
そうだったんですか! 思わぬ事実がわかりました。
さらに、そのほかのキャラクターの名前についてもお聞きしますが、設定するにあたってどのように決めていったのでしょう?
なにか由来はありますか?

馬場:
最近では仮名で呼んでいた名前が定着して、そのままそれになることがけっこうありますね。
イメージがいつの間にか染みついちゃうんです。
また、物語中や戦闘でキャラクターの名前をしゃべることが多いので、語感をよくしたほうがいいよねってことで、
ちょっと変えて言いやすい名前にすることもあります。


穴吹:
あとは、意識してこれまでのシリーズキャラの名前とは違う響きを選ぶこともありますよね。ルドガーがまさにそれです。


編:
逆に、仮名からガラッと変わるキャラクターもいるんですか?

穴吹:
前作の『TOX』では、変わったキャラがけっこういました。「四象刃」たちも初期は全然違う名前でした。



編:
とあることで借金を抱えるルドガーですが、その返済がゲームシステムと深く関係しているんですね。
ゲーム中、借金を取り立てられる場面もあるのでしょうか?

馬場:
ルドガーの元同級生のノヴァが借金返済の窓口になっており、
GHS(携帯電話のような遠隔通話装置)を通して取り立てを行ってきます。
借金を返さずにガルドを貯め込んでいると、「あんた持ってるんでしょ」って催促が来ることもあったりして(笑)。
それだけでなく、彼女はルドガーに高収入のアルバイトを斡旋してくれることもあるんですが。


編:
借金は1ガルドからでも返済可能ですか?

穴吹:
はい、1ガルド単位となります。


編:
ちまちま返済する人もいれば、まとめてドーンと返済する人もいるでしょうし、
プレイヤーによって返済の仕方に個性が出そうですね。欲しい装備があったら、
返済を後回しにして買っちゃうこともありますよね。

馬場:
そうですね~。あえてお金を使いたくなる仕掛けも用意して、駆け引きが楽しめるようにバランスを調節しています。
ただ借金を返していくだけじゃおもしろくないですからね。


編:
なんだかとってもリアルですね(笑)。それで、借金をある程度返済すると、先のエリアに進めるようになるのですか?

穴吹:
ゲーム中、ヴェルから「どこどこに行ってください」と指示されることがあるので、
そこへ行くためにお金を返済して移動制限を解除する。で、目的の場所に行くと物語が展開していきます。


編:
お金を稼ぐ方法は、戦闘やクエストがメインなのでしょうか?

馬場:
それだけではなく、さまざまな手段がありますよ。ガルド稼ぎ=戦闘だと単調になってしまいますからね。
いろいろな返済の仕方、お金の集め方をゲーム中に盛り込んでいます。それらをどう利用するかはユーザーさん次第。


編:
借金返済の方法もユーザーが“選択"していくわけですね。
ちなみに、この“選択"についてですけど、ルドガーの行動や感情のほとんどをプレイヤーが選択肢で選んでいくとのこと。
まさに、遊ぶ人の数だけ異なる展開が待っていそうですね。

穴吹:
展開といっても、物語が細かく分岐をするわけではなく、基本的には受け答えや行動が変わるといった感じです。
とはいえ、その組み合わせは膨大なので、イベント作成を手掛けたスタッフにはとても苦労をかけてしまいました。
当初は、そんなに分岐が激しいわけではないから大丈夫かなと思っていたんですけど、
フタを開けてみたらすごい大変だったという…。


馬場:
正直「いつまでやっているんだ」って、若干不安になることもありました(笑)。
『TOX2』チームって、これまでよりも少し若いスタッフで構成されているんですが、
みんな非常にモチベーションが高くていいチームなんです。
進化する『テイルズ オブ』を意識しながら、“遊び"の部分を追求して制作してくれました。


編:
これまでとはひと味違う、『テイルズ オブ』が楽しめそうですね!

穴吹:
物語部分はもちろんしっかり作っているのですが、純粋にゲームとしても楽しめるのをと、意識しています。
また、シナリオとシステムをうまくリンクさせるということにもこだわりました。


馬場:
インタラクティブに介入して楽しめるのがゲームの大きな魅力なので、そこを強く打ち出していこうって。
だから、その部分が『TOX2』の特徴の1つとなっています。


馬場:
あと、本当に細かいところに遊び心が隠されていたりもします。
僕は、初めて戦闘に突入する画面を見たときに、思わず「おおっ」って反応しちゃいました。
『TOX』のときは、「X」が画面に表示されたじゃないですか。あれがちょっと変わっていて…。


編:
『TOX2』だから「X2」とか?

穴吹:
さりげない演出なんですけどね。実際に見て確かめてください(笑)。